今日のテレビ朝日の番組
「たけしの本当は怖い家庭の医学」で
「線維筋痛症」というのをやっていました。(放送日05/11/22、『本当は怖い肩こり〜わかってくれない地獄の苦しみ〜』というところです。)
番組を見ていて、病名が明らかにされるまでわからなかったのですが、実はこの病気は、娘が最近患った病です。この病気は今のところ原因がよくわかっておらず、また医者でさえこの病気を知らないことも多く、病名がわからずに苦しんでいる患者さんも多いのではないかと、どなたかのお役に立てばと思い、ここに書くことにします。
娘が発病したのは6年生の1月のこと、朝、髪を整えていたら、寝違えたように突然首に激しい痛みが走ったのです。あまりに大声でわめいているので、娘のところに行ってみると、のた打ち回るように痛がっているのです。あまりの痛がりように驚きましたが、髪を梳かしていて首をひねったのだろう、ぐらいにしか思いませんでした。しかし、痛みが治まらないようなので、整形外科に行って、レントゲンをとったりしましたが、はっきりとしたことがわからず、コルセットをして様子を見てください、という程度でした。
ところが、症状は良くなるどころが、どんどんひどくなり、肩こり、頭痛、体のだるさ、気分の悪さを訴え始め、こんどは内科に連れていきました。そこで、症状に疑問を持った先生が、「もしかすると、「線維筋痛症」という病気かもしれません。僕も医学専門誌で読んだ程度で詳しくはわかりません。原因は不明です。治療法も確立されていません。」と、告げられたのです。「えっ、先生、それは治るんですか?どれくらいかかるんですか?」と尋ねても、「まだよくわかっていない病気なので何とも言えません。」ということでした。ガーン、ですよ。娘が突然こういう病気になってしまうとは。
ともかくもうしばらく様子を見ましょう、と言うことでした。実は娘、中学受験をすることになり、一応、受験勉強をしていたのでした。普段やりなれない(笑)勉強に、ストレスを感じていたのかもしれません。しかし、勉強どころか、発病してからほとんど小学校へ通えなくなってしまいました。
ともかく、私は情報を集めなければ、とネットで調べ始めました。線維筋痛症は、以前は高齢者に多いとされていましたが、最近では若年層にも多くなってきていること、原因は不明、しかし、この病気について研究をしているお医者さまのグループがあることがわかりました。
症状はやはり好転せず、娘は一日中疲労感に襲われ、眠ってばかりでした。体の痛みも訴え、気分も悪そうでした。またかかりつけ医のところに行くと(娘は通院できず、私ひとりで行ったのだと思います)、聖マリアンナ医科大学病院に研究グループがあるので、そちらに行ってはどうでしょう、と紹介してくださいました。(テレビにご出演だった先生だと思います。)私の調べでは、東京の日本医科大学付属病院の小児科にご専門の先生がいらっしゃるのをつきとめていました。
交通の便からいうと、案外東京の日本医科大学病院のほうが行きやすいだろうということで、紹介状を書いてもらいました。しかし、近所の医者にも行けなくなっているのに、横浜から東京へ連れていけるのだろうか、という不安がよぎりました。
当時の様子も随分と忘れてしまったのですが、ともかく私が、娘を励ましながら、列車を乗り継いで、どうにか連れて行ったのだと思います。テレビでも紹介されていましたが、この病気は、痛みのある場所が独特で、その痛点の数が基準以上であると線維筋痛症と診断するというガイドラインが出来上がったいるそうです。これが不思議で、肩や首はもちろんとしても、腕や膝のあたりなど、全然関係のなさそうなところが痛むのです。膝に先生が軽く触れた程度で飛び上がるように痛がっていました。まぎれもなく「線維筋痛症」ということでした。
治療はというと、まだ研究段階なので、はっきりとした治療法は、やはりありません。なぜか鬱の薬が効果があるという結果が出ているようで、その薬や、漢方薬、そして対症療法的なお薬が出ました。これからどうなってしまうのだろうという不安がありましたが、先生によると、早ければ3ヶ月ぐらいで良くなってきて、6ヶ月から1年ほどで治ってくるだろう、ということでした。ともかく、薬の効果と先生のおっしゃることを信じるしかありませんでした。
娘の具合はなかなか良くなりませんでした。6年生の3学期は卒業式までほとんど登校できず、でした。中学受験のほうは、無理を押して受験し、合格はしていました。晴れの卒業式であるはずですが、娘は自宅から車で学校へ送り、保健室へ。卒業証書を貰うときだけ体育館へ移動し、証書を受け取ったら席に座ることなく、また保健室へ直行(笑)。まあ、その時は、無事に受け取ってくれることだけを願っていましたが。
中学へ通う4月頃にはいったん良くなっていました。心配しましたが、どうにか通える程度には回復していました。疲れが出始めるゴールデンウイーク明けは気をつけてくださいね、と医者からは言われていたのですが、案の定、また学校へ通えないほどに悪くなりました。学校側からは、登校拒否ではないのか、という目で見られていたかもしれません。診断書も出したのですが、誰も知らない病名ですから、それもしかたのないことかもしれません。
入学してしばらく経ち、お友達もできてきた頃なので、私はなんとか娘に学校に行ってもらおうと必死でした。朝いくら起こしても起きてこられないので、お昼頃から出かけるのです。学校に行って、すぐ帰ってきていいからと。一緒にバスに乗り、電車に乗るのですが、いつも横浜駅で息切れしてしまうのでした。公衆トイレの前で、30分、1時間と、座っていたこともあります。もう間に合わないね、とそのまま帰宅することもありましたし、学校へ向かう道で、あともう少し、というとろこで座り込んでしまって動けなくなったこともあります。
結局、中1の一学期はその後、ほとんど通うことができませんでした。このままで進級できるのだろうか、と心配にもなりました。でも夏休みがちょうど良い気分転換になったようで、2学期からは、また少しずつ通えるようになりました。発病して1年後ぐらいには、ほぼ良くなっていたと思います。お薬も嫌いだったようで、飲むこともやめてしまっていました。
2年生になった今では、ごはんもおいしく食べられるようになり、私よりもずっと立派な体格になりました。時々肩こりを訴えることもあるので、再発しないよう気をつけるように言ってありますが、この夏には、お医者さまから、定期検診ももう来なくていいよ、と言われました。
だらだら書いてしまいましたが、何が言いたかったかというと、この病気は潜在的に子供にもとても多いのではないか、ということです。登校拒否というレッテルを貼られてしまっている子供たちの中に、多かれ少なかれ、この病気が隠れているのではないか、とも言われています。もし、学校に通えないお子さんがいて、体の不調や痛みを訴えていたら、ぜひ、専門の先生に診ていただくようお勧めします。もし線維筋痛症と診断されても、必ず良くなる病気です。うちの場合は、かかりつけの先生が、この病気をご存知でラッキーだったと思います。わからなければ、路頭に迷っていたことだと思います。早期発見が早期治癒につながる病気です。
posted by Motoko at 00:39|
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