2008年08月05日

線維筋痛症は治ります!

娘が闘病した病気、線維筋痛症・・・同年代のお嬢さんが今、この病と闘っていらっしゃいます。彼女は今、少しずつ回復の兆しが見られ、娘のたどった道を同様にたどっていかれるのではないか、という気持ちがしています。最近では更新することのなくなったブログですが、彼女の回復の祈りを込めて、記事を書きたいと思います。

今ではもう家族も、本人自身も、症状のことはすっかり忘れてしまったかのようです。でも、毎日看病し、病院に連れて行き、学校にもどうにか行かせようとしていた母親の私が一番この病気のことを知っています。

毎日、朝起こそうと、声を掛けに行っても、返事もなく、微動だにしない(できない)娘をかわいそうに思い、戸惑いを覚える日々でした。いつ治るのだろうか、という不安もありました。でも、すぐに病名がわかり、専門の先生にかかることができ、先生から、1年ぐらいかかるかもしれませんが必ず治ります、という言葉をいただき、早期発見と、治る病気だという信念が、早期回復につながったと確信しています。

娘の回復のきっかけも夏休みでした。子供にとっては開放的な季節です。ぜひ、親しいお友達や家族と、映画やコンサートや、食事やおしゃべり・・・ともかく楽しみを見つけて、無理をしない程度にお出かけして欲しいと思います。

そもそも線維筋痛症は、体に怪我や病気があるわけでもないのに、脳が勝手に痛みを感じるという病気だ、という説明を受けました。脳が誤った反応しているのでしょう。それならば、痛みや不快感を上回るような、楽しくてワクワクするような心地よい刺激と経験を脳に与えてやればいいのではないでしょうか。楽しく過ごせる日があると、それがきっと脳にいい刺激を与えると思います。自信にもつながります。そのような心地よい経験が脳に蓄積されていくことこそが大切なように思います。素人考えだと思われるかもしれませんが、確実に治るお薬が現在もなく、病気を克服した人間の母親が経験的にそのように感じているのです。

それにはある程度、体調が回復期にある必要があるかもしれませんが、前向きな気持ちになっている時こそチャンスかもしれません。お薬の助けも重要ですが(お薬に効果がない、と言っているわけではありません、それに加えて、ということです)、心と脳が楽しい、嬉しい、おいしい、心地よいなど、ポジティブな刺激を感じ取れるような環境を用意してあげるのも大切かと思います。それには、必ず直るという強い信念が大切だと思います。私達のケースでよかったのは、先生から「必ず治る病気です」という力強い言葉だったとも思います。この病気に詳しくない先生から、「原因不明です。治るかどうかよくわかりません。」などという言葉をもらったり、治療方針がころころ変わったりしたとしたら、患者側は不安な、否定的な気持ちになるに違いありません。

でも、ここに、完全に病を克服した人間がいるのですから、治る病気かどうか明らかでしょう。「脳」が関係している病気である以上、治らないのではないか・・・という不安があるうちは、なかなか回復の糸口が見つからないのかもしれません。治った人があるのだから自分もきっとよくなるはずだ、少しずつ症状がよくなってきているようだからこのまま回復に向かうはずだ、という前向きな気持ちこそ、この病気を克服できるかどうかの分かれ道のような気持ちすらいたします。

このように書いていると、一般の人に、じゃあ、結局気持ちの持ちようなんじゃないの?というような軽々しい病気には思って欲しくはありません。これは非常に重くて苦しい病気です。苦しみと絶望の中に希望を見出すことほど難しいことはありません。

日々の辛さの中にも、回復への強い信念を持つこと、希望を持つこと、楽しみや喜びの感情を見つけていくことこそが、お薬を上回るような効果につながり、回復への近道となるのではないかと強く思うのです。闘病中のみなさんを心から応援しています。
ラベル:線維筋痛症
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2007年02月04日

大杉アナが世の中に伝えたこと

大杉アナのご事情はご本人以外にはわからないことだと思いますが、高齢になっての育児だけでも大変だったと思います。睡眠時間さえままならない生活、若くて健康な人でさえ、ストレスやホルモンの関係で、ブルーになる場合もあります。そこに線維筋痛症の痛みと苦しみに加え、ご本人の強い責任感がかえってご自分を追い込んでしまわれたのかと・・・ご家族のかたも、もっとどうにかしてあげられなかったのかと苦しんでいらっしゃるかもしれません。

大臣の失言がありましたが、出産・育児はそんなに簡単に語れることじゃなくて、女性はひとりひとりを命がけで産んで育てます。彼女も懸命にやっていたはずです。一方で、赤ちゃんの笑顔ひとつで、疲れが吹き飛んだり、勇気や元気をもらえたりするものです。

彼女が無責任だと責めることはできないと思います。それほどこの病が苦しいものだということなのかもしれません。(因果関係がはっきりしないので、断定はしないでおきます。)

少子化を懸念するなら、育児をするお母さんが病気や困難を抱えた場合、どういうサポートができるのか、線維筋痛症に苦しむ人は潜在的にもとても多いのでは、と言われる中、この病気の認識を高め、研究をもっと進めることはできないのか・・・彼女の死により、提起された問題は大きいと思います。

娘が線維筋痛症から回復できたことは、ほんとうにありがたいことだと思っています。娘自身は、もう終わったことだと、忘れたいようですが(それぐらい苦しかったことなんだと思います)、私としては、線維筋痛症は回復を望める病気であると、言い続けていきたいと思っています。
ラベル:線維筋痛症
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2007年02月03日

線維筋痛症は治る病気です!

朝、日テレのアナウンサーがマンションから転落して亡くなった、というようなニュースはネットで読んだのですが、ダンナが、今日は線維筋痛症『せんいきんつうしょう』(あえて、間違った「繊維筋痛症」も書いておきます)というキーワードで検索が多いかもな、と言うので、「えっ?」と聞き返すと、その大杉アナウンサーは線維筋痛症で悩んでいらしたらしい。


日テレ大杉君枝アナ転落死、自殺か

2月3日10時2分配信 日刊スポーツより引用


 育児休業中だった日本テレビアナウンサー大杉君枝さん(おおすぎ・きみえ=旧姓鈴木)が2日早朝、東京都渋谷区の自宅マンションから転落死した。43歳だった。遺書らしきものがあり、警視庁は自殺とみて調べている。大杉アナは02年夏に再婚し、昨年10月に民放キー局アナウンサーの初産としては最高齢で出産した。産後、育児をしながら、全身に痛みが出る線維筋痛症(せんいきんつうしょう)の治療中だった。
(・・・)
大杉アナは昨年10月の出産後、線維筋痛症に悩まされていた。家族からの連絡によると、首から全身に痛みが走る病気で、医師から「原因は不明」と説明されていた。人によっては痛み止め薬が効かないこともある。大杉アナは、今月11日で生後4カ月になる男児を育てながら、全身の痛みとも闘っていた
(・・・)

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私の娘も患った病気「線維筋痛症」。その痛みと苦しみは、それはそれは大変なものでした。線維筋痛症は怪我などの痛みがきっかけとなって発症することがあります。大杉アナは、出産がきっかけで線維筋痛症になられたのかどうか、また自殺と見られるということですが、線維筋痛症を悩んでそのようになったのか、今のところ明らかでないようです。

娘の線維筋痛症は治りました!今はまったくの健康体です。(「線維筋痛症」のカテゴリーをご覧ください。)その病気の苦しみは、親の私がよくわかっています。大杉アナのニュースを知って、自分も同じ病気ではないか、線維筋痛症は不治の病なのか、と、調べていらっしゃるかたもあるかもしれません。

線維筋痛症は治らない病気ではありません。個人差があったり、時間もかかるかもしれませんが、ちゃんと治った人があるのですから、決して悲観や誤解をして欲しくないのです。闘病していらっしゃるかたも、希望を持ってくださいね。希望があるところに光は見えます。

大杉アナのご事情はよくわかりませんが、線維筋痛症という病気に対して、決して誤解を持って欲しくはないと、まずは私からのメッセージを書いておきます。今の娘の近況ですが、今年、中高一貫教育の4年生、つまり高校1年になるところですが、中1の時に線維筋痛症のため学校に通えず、部活に入り損ねたのですが、健康体を取り戻した娘は、音楽が好きになり、自分でもやりたいらしく、最近軽音部に入部しました。あまり詳しく書くと怒られるので書けませんが、音楽レッスンにも通うことにして、嬉々としてやっております。

病気を乗り越えたところに、また新しい人生が待っています。同じ病気に悩んでいらっしゃる方、元気になった見本がいます!決してくじけないでくださいね。また、ご家族の方や友人の方もどうしてあげればよいのかわからないと思います。ご本人は、本当に痛いです、苦しいです。ぜひ、暖かい気持ちで、すべてを受け入れてあげてください。

いつもあなたを応援しています。あなたのために祈ります・・・。
ラベル:線維筋痛症
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2006年11月27日

ブログの模様替え

そろそろクリスマスクリスマスなので、うきうきとブログの模様替えとお掃除(笑)をしましたるんるん

へっ、サイバーワールドじゃなくって実生活でやれっ!パンチって・・・

ぐはっ・・・たらーっ(汗)


ラベル:線維筋痛症
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2006年08月15日

「線維筋痛症」その後

機会があったら、娘のかかった病気「線維筋痛症」の予後について書きたいと思っていたのですが、ちょうど今日8月15日付けの日経新聞夕刊の健康・医療面に線維筋痛症のことが掲載され、インターネットで検索されることも多いと思い、また書くことにします。実際、このブログが、「線維筋痛症」で検索されるのが、毎日とは言わないまでも、週に何度かは検索されて読みにきてくださるかたがあるのです。

(2006年8月15日 日本経済新聞夕刊より引用)

線維筋痛症

背中や首、肩、手足など体のあちこちに痛みが生じ、不眠にも悩まされる線維筋痛症。厚生労働省研究班の調べによると、この原因不明の痛みに国内で推定二百万人が悩まされているという。しかし、医師の間でも病気の存在がようやく浸透し始めた段階で、適切な診断、治療を受けられないケースも少なくない。

「飛び上がるほどの痛みで何もできず、寝たきり状態になってしまう患者も少なくない」。こう語るのは、研究班の班長を務める聖マリアンナ医科大学の西岡久寿樹・難病治療研究センター長。患者がたどる典型例は次のパターンだという。
ある日突然、体の一部に痛みを感じる。貼り薬などを使ってみても痛みが取れない。整形外科などで、血液検査や磁気共鳴画像装置(MRI)検査、筋電図検査をしても、異常は見つからない。(・・・)

(引用終わり)


私のブログの過去ログ「線維筋痛症」のところを読んでいただくとわかると思うのですが、うちの娘はまったくの典型的パターンです。小6の1月に発症し、現在は中3になりますが、まず現在の状況を言いますと、まったくの健康体であると断言しておきます。

推定二百万人の患者さんがいらっしゃるとすれば、「線維筋痛症」という言葉が、毎日のように検索されるのは当然で、また、この病気について、よくわかっていないことが多いというのが問題なのだと思います。

癌は、周囲を見回してみても、克服された方も多いので、今や治る可能性のある病気であると誰もがわかっていますが、線維筋痛症は、まだまだ語られることが少ないので、線維筋痛症と診断されたり、また、その疑いを持って、不安に感じるかたも多いのだと思います。

実際にネットで検索してみると、線維筋痛症で悩んでいらっしゃる患者さんのブログにたくさん遭遇すると思います。病気というのは、治ってしまうと忘れてしまうものだったりします。実際、うちの娘も、あれほど苦痛だったあの時の痛みはもう憶えていないと言うのです。治った人は、あまりその病気のことは語らないものなんでしょう。

日経新聞に、線維筋痛症の重症度分類(厚労省研究班まとめ)というのが載っていて、軽症から重症までステージ(進行度)が5つに分けられています。母親の私が見る限り、娘は進行度IVの「痛みで体を自力で動かせず、ほとんど寝たきり状態になる」というところまで行っていたと思います。

現在も線維筋痛症と闘っていらっしゃる患者さんには、大変お気の毒に思いますし、お気持ちも良くわかります。しかし、私は、現に病気を克服し、まったくの健康体を取り戻した元重症患者もいる、と言いたいのです。

専門医の先生から、もう通院しなくてもいいでしょう、と言われてからもしばらくは、再発しないだろうかと、娘にストレスや睡眠不足などがたまらないように、随分と心配はしました。再発する可能性があるのかどうか私は知らないので、現在まったく心配しなくなったかと言われると、そうではありませんが、たくさん食べて、同学年の女の子とまったく変わらず成長していますし(勉強以外(笑)、休学同然の後、もちろん同級生に追いつきましたが、現在は本人の努力の問題(笑))、普通に学校に通い、先日はキャンプに出かけ、旅行などにも行きますし、ほんとうに普通の女の子です。

年齢的なものや、また、さまざまな要因もあって、治った人、一進一退の人、なかなか改善の方向に向かわない人、いろいろなのかもしれません。しかし、健康を取り戻した人間が実際にいるわけですから、線維筋痛症と診断されても、治らない病気だと決して絶望して欲しくないのです。医学は日々進歩しています。人間の体も変わります。診断されてすぐの方も、長く苦しんでいらっしゃる方にも、必ず希望の光は見えてくると信じています。大丈夫です。きっと良くなります。くじけそうになったら、またここの言葉を読みにきてください。娘からのメッセージバナーを見に来てください。

線維筋痛症患者応援バナー
ラベル:線維筋痛症
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2005年11月27日

「線維筋痛症」患者応援バナー

わが家のお嬢さまに頼み込んで作ってもらいました。線維筋痛症から回復した娘からのメッセージとして受け取っていただけると嬉しいです。

線維筋痛症患者応援バナー

うちの娘、PCでお絵描きするのが大好きなんですよ。誰も教えないし、お絵描きソフトやらネットをやっているうちに覚えたようです。虹色のグラデーションやイラストなど、マウスひとつで描いております。(現代っ子、恐るべし〜がく〜(落胆した顔)

一日中、こんなの描いたりするの、平気でやっているし、体力も気力も戻っているのでしょう。しかし、中学生の女の子というのは、常に取扱注意状態でございます。ちょっとからかったりしようものなら鉄拳パンチが飛んで参ります。みごとに力も強くなっております。

はい、丁重にお願いして描いてもらいましたわーい(嬉しい顔)照れくさい気持ちもあったと思うのですが、あなたの行動が誰かの力になるかもしれないから、と。こんなことなら、まあ、あっさりやってくれるのですが、全然勉強しませんちっ(怒った顔)重い病気になった人が、医療関係を目指して熱心に勉強するというのはよく聞く話ですが、コイツはまったくのマイペース。もし就職ができなかったら、どなたかこの娘をグラフィックデザイナーに雇ってやってくださいませわーい(嬉しい顔)

冗談はさておき、このワガママ娘はいっちょまえに著作権を主張しております。再配布可、二次加工禁止だそうです。つまり、お持ち帰りはいいよ〜、でも、画像をいじらないでね〜、ということらしいです。(パクリ(真似たものを作ること)も禁止だそうです。ウルサイです(笑)。)どうぞ、こんなものでよろしければご利用くださいませ。
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2005年11月26日

繊維筋痛症???

galoaさんのBlog「線維筋痛症情報」によりますと、「本当は怖い家庭の医学」の番組終了後のワード検索で、正式な病名の「線維筋痛症」(せんいきんつうしょう)より、間違いの「繊維筋痛症」で検索されるほうが多かった、ということです。

実は、この私も、番組を見て記事を書いていて、間違ったほうの「繊維筋痛症」と書いて、コピペを繰り返していたのでしたわーい(嬉しい顔)娘の症状が良くなり、この言葉としばらくのご無沙汰だったので、ついうっかり最初に出てきた変換文字のまま、気付かなかったんですね。(どこかまだ変換ミスをしたままになっていないかな?がく〜(落胆した顔)

私はこの病気について、ひとりでも多くのかたが関心を持ってくださり、病名がわからず悩んでいるかたの救いになれば、と思い記事を書いています。ですので、ここで、ひとつでもヒットが多くなるよう敢えて繊維筋痛症というキーワードを書いておくことにします。
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2005年11月24日

「線維筋痛症」回復への道のり

線維筋痛症に関して、患者さんや周囲のかたがたがお書きになっているBlogまわりをさせていただきました。うちの娘も症状には非常に苦しみましたが、かなり早期に回復したのだというのがわかりました。この病気に長年苦しんでいる患者さんがたくさんいらっしゃって、回復すること自体が非常に難しいのではないか、と悩んでいらっしゃるかたが多いのにも驚きました。

初めて専門医の先生とお話しした時、「必ず良くなりますよ」という心強いお言葉をいただきました。「6ヶ月から1年の辛抱です。あせらず治療しましょう。」という言葉通り、娘は1年後には以前の元気を取り戻してきていました。

しかし、現実には、長年苦しい症状から抜け出せず、今も痛みと戦っている患者さんがたくさんいらっしゃるのですね。本当にお気の毒に思います。

友達が線維筋痛症になりました」というBlogを書いていらっしゃるやましんさんより、「なにか西洋医学以外のものなどは試されたんでしょうか?」というご質問がありました。

病気が思うように良くならないとき、身体に良いと思われることは何でも試してみたい、というのは当然の感情です。また、どうやったら回復へのきっかけが掴めるのか、というのもお知りになりたいところだと思います。

娘が回復していく様子を、やましんさんのBlogに直接書き込ませていただきました。しかし、このことを多くの患者さんにお知らせするのがよいのではないかと思い、やましんさんへのコメントをこちらにも書かせていただきます。(やましんさん、ご了承くださいね。)

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娘は小6の1月に発病、3学期はほとんど登校できず、中学に上がって4月いっぱいはどうにか通っていましたが、連休明けに悪化。その後、夏休みまで登校できなくなりました。中間テストは受けられず、これではいけないだろうと、期末テストの時は、主人が車で娘を学校へ送り届けました。その頃の状況は、朝起こそうと何度声を掛けても、微動だにせず返事もなし。疲労感と頭痛、寝返りも打てないほどの痛みに耐えていたようです。

専門医から処方されていたお薬は、パキシル、補中益気湯、ノイロトロピン、頓服としてロキソニンを頂いていました。恐らく、他の患者さんたちと同様のものだと思います。血液検査では異常は見られませんでした。

しかし、娘は、パキシルを就寝前に飲むと夜中に気持ちが悪くなる、と服用したがりませんでした。また、補中益気湯も、味と匂いが嫌い、と、こちらも飲むのを嫌がり、しだいにお薬がたまっていくようになりました。つまり、娘は、実のところ、あまりお薬には頼っていなかったことになります。
exclamation×2これはいけないことです。先生からもお叱りを受けました。お医者さまは、お薬が本人にどのような効果をもたらすのか、観察なさっているわけです。用法、用量はきちんと守りましょう。しかし、本人の症状がかなり軽くなった時、やはりまだお薬を飲むのを拒否するのですが・・・と恐る恐る告白したら、「それはもう本人がお薬に頼る必要を感じていないからでしょう。本当に具合が悪ければ、お薬を出してください、と、自ら言いますからね。」とおっしゃってくださり、お薬は飲まなくていいことになりました。)

何がきっかけで、症状が快方に向かったのだろう、と、本人と家族で話し合ってみました。ターニングポイントとなったのは、やはり夏休みだったと思います。子供にとって、夏休みは最も開放感に包まれる時です。朝起きて学校へ行く必要がない、眠りたいだけ眠っていられる、お腹が空けば食べたい時に食べればよい、気分が良ければテレビを見たり、おうちの中をうろうろすれば良い、という気分になったのだと思います。そうすると、次第に起きてくるようになり、家の中でごそごそし始めるようになりました。

夏休みは毎年、横浜から大阪に帰省するのですが、気分転換に良いかもしれない、と、数時間の長旅の心配もありましたが、大阪に連れて行きました。実家では、おじいちゃん、おばあちゃんが、娘の好物をたくさん用意して、暖かく迎えてくれました。そして、驚くべきことに、帰省中に、日帰りの小旅行にも出かけたのです。以前から「忍者」に興味があり、伊賀上野の忍者村に行きたかったのです。かなり時間もかかり、ものすごく疲れたようですが、楽しんできたようです。無事行ってこられた、というのが、体に対する自信にもつながったのではないでしょうか。

娘にとって、この開放感と、周囲から暖かく見守られているという安心感が、非常に良かったのだと思います。大人の場合、どうしても病気のことに気持ちが向いてしまいがちなことと、絶対的な開放感というのはなく、どんな状況でも義務感を感じながら生活をしている、というのが違うのだと思います。これが、子供のほうが回復が早い、というひとつの根拠になっているのでは、という気持ちもいたします。

2学期はなんとか登校できるか、と期待しましたが、あいにく風邪をひいてしまい、しょっぱなから1週間欠席しました。しかし、その後は、朝から登校し、帰宅してきた時には、大変な疲労感も感じていたとは思いますが、がんばって登校を続けられるようになっていました。無理はさせず、体育などは見学させてもらっていました。お友達も、いつも通りに明るく親切に接してくれたのだと思います。

その後は、薄紙を一枚ずつはがすように、少しずつ、痛みや疲労感が薄れていったのだと思います。回復への何らかのヒントが見つかれば、幸いに思います。みなさんで、患者さんに暖かい支援の手を差し伸べることを続けていれば、いつかきっと光が見えてくることだろうと信じております。心より患者の皆さまのご回復をお祈りしております。
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2005年11月23日

原因不明の病気「線維筋痛症」

今日のテレビ朝日の番組「たけしの本当は怖い家庭の医学」「線維筋痛症」というのをやっていました。(放送日05/11/22、『本当は怖い肩こり〜わかってくれない地獄の苦しみ〜』というところです。)

番組を見ていて、病名が明らかにされるまでわからなかったのですが、実はこの病気は、娘が最近患った病です。この病気は今のところ原因がよくわかっておらず、また医者でさえこの病気を知らないことも多く、病名がわからずに苦しんでいる患者さんも多いのではないかと、どなたかのお役に立てばと思い、ここに書くことにします。

娘が発病したのは6年生の1月のこと、朝、髪を整えていたら、寝違えたように突然首に激しい痛みが走ったのです。あまりに大声でわめいているので、娘のところに行ってみると、のた打ち回るように痛がっているのです。あまりの痛がりように驚きましたが、髪を梳かしていて首をひねったのだろう、ぐらいにしか思いませんでした。しかし、痛みが治まらないようなので、整形外科に行って、レントゲンをとったりしましたが、はっきりとしたことがわからず、コルセットをして様子を見てください、という程度でした。

ところが、症状は良くなるどころが、どんどんひどくなり、肩こり、頭痛、体のだるさ、気分の悪さを訴え始め、こんどは内科に連れていきました。そこで、症状に疑問を持った先生が、「もしかすると、「線維筋痛症」という病気かもしれません。僕も医学専門誌で読んだ程度で詳しくはわかりません。原因は不明です。治療法も確立されていません。」と、告げられたのです。「えっ、先生、それは治るんですか?どれくらいかかるんですか?」と尋ねても、「まだよくわかっていない病気なので何とも言えません。」ということでした。ガーン、ですよ。娘が突然こういう病気になってしまうとは。

ともかくもうしばらく様子を見ましょう、と言うことでした。実は娘、中学受験をすることになり、一応、受験勉強をしていたのでした。普段やりなれない(笑)勉強に、ストレスを感じていたのかもしれません。しかし、勉強どころか、発病してからほとんど小学校へ通えなくなってしまいました。

ともかく、私は情報を集めなければ、とネットで調べ始めました。線維筋痛症は、以前は高齢者に多いとされていましたが、最近では若年層にも多くなってきていること、原因は不明、しかし、この病気について研究をしているお医者さまのグループがあることがわかりました。

症状はやはり好転せず、娘は一日中疲労感に襲われ、眠ってばかりでした。体の痛みも訴え、気分も悪そうでした。またかかりつけ医のところに行くと(娘は通院できず、私ひとりで行ったのだと思います)、聖マリアンナ医科大学病院に研究グループがあるので、そちらに行ってはどうでしょう、と紹介してくださいました。(テレビにご出演だった先生だと思います。)私の調べでは、東京の日本医科大学付属病院の小児科にご専門の先生がいらっしゃるのをつきとめていました。

交通の便からいうと、案外東京の日本医科大学病院のほうが行きやすいだろうということで、紹介状を書いてもらいました。しかし、近所の医者にも行けなくなっているのに、横浜から東京へ連れていけるのだろうか、という不安がよぎりました。

当時の様子も随分と忘れてしまったのですが、ともかく私が、娘を励ましながら、列車を乗り継いで、どうにか連れて行ったのだと思います。テレビでも紹介されていましたが、この病気は、痛みのある場所が独特で、その痛点の数が基準以上であると線維筋痛症と診断するというガイドラインが出来上がったいるそうです。これが不思議で、肩や首はもちろんとしても、腕や膝のあたりなど、全然関係のなさそうなところが痛むのです。膝に先生が軽く触れた程度で飛び上がるように痛がっていました。まぎれもなく「線維筋痛症」ということでした。

治療はというと、まだ研究段階なので、はっきりとした治療法は、やはりありません。なぜか鬱の薬が効果があるという結果が出ているようで、その薬や、漢方薬、そして対症療法的なお薬が出ました。これからどうなってしまうのだろうという不安がありましたが、先生によると、早ければ3ヶ月ぐらいで良くなってきて、6ヶ月から1年ほどで治ってくるだろう、ということでした。ともかく、薬の効果と先生のおっしゃることを信じるしかありませんでした。

娘の具合はなかなか良くなりませんでした。6年生の3学期は卒業式までほとんど登校できず、でした。中学受験のほうは、無理を押して受験し、合格はしていました。晴れの卒業式であるはずですが、娘は自宅から車で学校へ送り、保健室へ。卒業証書を貰うときだけ体育館へ移動し、証書を受け取ったら席に座ることなく、また保健室へ直行(笑)。まあ、その時は、無事に受け取ってくれることだけを願っていましたが。

中学へ通う4月頃にはいったん良くなっていました。心配しましたが、どうにか通える程度には回復していました。疲れが出始めるゴールデンウイーク明けは気をつけてくださいね、と医者からは言われていたのですが、案の定、また学校へ通えないほどに悪くなりました。学校側からは、登校拒否ではないのか、という目で見られていたかもしれません。診断書も出したのですが、誰も知らない病名ですから、それもしかたのないことかもしれません。

入学してしばらく経ち、お友達もできてきた頃なので、私はなんとか娘に学校に行ってもらおうと必死でした。朝いくら起こしても起きてこられないので、お昼頃から出かけるのです。学校に行って、すぐ帰ってきていいからと。一緒にバスに乗り、電車に乗るのですが、いつも横浜駅で息切れしてしまうのでした。公衆トイレの前で、30分、1時間と、座っていたこともあります。もう間に合わないね、とそのまま帰宅することもありましたし、学校へ向かう道で、あともう少し、というとろこで座り込んでしまって動けなくなったこともあります。

結局、中1の一学期はその後、ほとんど通うことができませんでした。このままで進級できるのだろうか、と心配にもなりました。でも夏休みがちょうど良い気分転換になったようで、2学期からは、また少しずつ通えるようになりました。発病して1年後ぐらいには、ほぼ良くなっていたと思います。お薬も嫌いだったようで、飲むこともやめてしまっていました。

2年生になった今では、ごはんもおいしく食べられるようになり、私よりもずっと立派な体格になりました。時々肩こりを訴えることもあるので、再発しないよう気をつけるように言ってありますが、この夏には、お医者さまから、定期検診ももう来なくていいよ、と言われました。

だらだら書いてしまいましたが、何が言いたかったかというと、この病気は潜在的に子供にもとても多いのではないか、ということです。登校拒否というレッテルを貼られてしまっている子供たちの中に、多かれ少なかれ、この病気が隠れているのではないか、とも言われています。もし、学校に通えないお子さんがいて、体の不調や痛みを訴えていたら、ぜひ、専門の先生に診ていただくようお勧めします。もし線維筋痛症と診断されても、必ず良くなる病気です。うちの場合は、かかりつけの先生が、この病気をご存知でラッキーだったと思います。わからなければ、路頭に迷っていたことだと思います。早期発見が早期治癒につながる病気です。
posted by Motoko at 00:39| Comment(8) | TrackBack(4) | 線維筋痛症 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする